テレワークで自宅のPCを使ったセキュリティに関する事故例や対処法を解説

  • カテゴリ: セキュリティ対策
  • 公開日: 2023/5/8

「実際にテレワークでセキュリティ事故は起こっているの?」
「テレワーで起きたセキュリティ事故の事例を知りたい」

新型コロナウイルスをきっかけに、テレワークを導入する企業が増えてきています。

テレワークでの心配事の一つが、セキュリティ問題です。

この記事では、実際に起きたテレワークでのセキュリティ事故の事例と事故を防ぐ仕組みやルールについて解説します。

今後もテレワークを働き方の一つとして、継続していきたいと考えている企業は、セキュリティ対策が必須です。

1. テレワークで実際に起こった事故例と対処法

テレワークをする中で、さまざまなセキュリティ事故が起きています。

例えば、以下のようなものです。

・業務とは関係ないWebサイトを見ていてウイルス感染し、社内情報が流出
・不審なメールを開き、パソコンを乗っ取られる
・社内情報が入ったパソコンを紛失 など

これらの事故は一部に過ぎません。

ここからは、実際に起きた事故を3つ事例として紹介します。


1-1. 事故例①ウイルス感染による情報漏えい

テレワークをしていた社員が、会社のパソコンに届いた不審なメールを開き、添付されていたファイルを開いたことで、社用パソコンがコンピューターウイルスに感染したという事例です。

ウイルスに感染したことを知らず、社員が出社した際に社内のネットに接続したことで、他のパソコンにウイルスの感染が拡大しました。

これにより、従業員の氏名やメールアドレスなどの個人情報や社内のサーバー情報が流出したのです。

社内の重要な情報は流出しませんでしたが、一歩間違えば取引先や顧客情報などが流出し、会社の信用を落としかねない重大なセキュリティ事故となりました。

このようなセキュリティ事故への対処法としては、業務に関係ないメールやファイルを開かないことです。

最近のコンピューターウイルスは、メールを開くだけで感染したり、ポップアップをクリックするだけで詐欺被害に遭ったりするというものもあります。

社員には、身に覚えのない不審なメールやWebサイトは閲覧しないよう周知徹底させることが重要です。

1-2. 事故例②公共の場でのパソコンの乗っ取りやのぞき見による情報漏えい

テレワークをしているときに、パソコンののぞき見や盗聴により情報漏えいが起きた事例があります。

カフェで作業するために、セキュリティ対策がされていない無料Wi-Fiに接続して社内データにアクセスした際に、パソコンが乗っ取られ社内の情報が見られてしまったのです。

今やどこでも接続できて便利な無料Wi-Fiですが、セキュリティ対策が十分ではなく、誰でもアクセスできるため、パソコンの乗っ取りが起きる可能性があります。

この事例の対策としては、社外で作業をする際は、公共のWi-Fiを使わないようにすることです。

セキュリティ対策が施されているWi-Fiルーターや社用携帯のテザリング機能などを使って、対策を行いましょう。

他の事例として、カフェなどで作業をしていて、パソコンをのぞき見されて情報漏えいするというのもよくある事例です。

会社以外で作業をする際は、パソコンの画面が他の人に見えないよう、画面にのぞき見防止フィルターを貼ったり、背後に人がいない場所で作業したり細心の注意を払いましょう。

1-3. 事故③パソコンやUSBの盗難や紛失による情報漏えい

本来、盗難や紛失はあってはならないことですが、テレワーク中に起こるセキュリティ事故の一つです。

ある社員が、カフェで仕事をしていてコーヒーのおかわりをしようと、パソコンをテーブルに置いたまま席を立ちました。

座席に戻ると、パソコンが盗難され、なくなっていたのです。

ほんの数分席から目を離した間でした。

パソコンには、顧客情報などは入っていなかったものの、バックアップが取られていなかったので、データがすべてなくなってしまったのです。

この事例の対処法としては、公共の場で少しでも離席する場合は、パソコンなど重要なものは肌身離さず持っておくことです。

場合によっては、盗難や紛失のリスクを最小限にするために、自宅以外でのテレワークを禁止するのも一つです。

会社としてテレワークのルールを厳格に決める必要があります。

2. セキュリティ事故を防ぐ仕組みやルール

紹介した事例のようなセキュリティ事故を防ぐために、企業ができる仕組みやルールについて解説します。

セキュリティ事故が起きないよう、仕組みやルールは必ず作っておきましょう。


2-1. 遠隔操作でパソコンをロックする

盗難や紛失が起きた場合に、社員から報告があった時点で、管理者がすぐに遠隔操作でパソコンをロックする機能やパソコン内のデータを消去できる仕組みを作っておきましょう。

パソコンを開くためにパスワードロックをかけていても、簡単に開けられてしまうこともあります。

そのため、紛失や盗難が発覚した時点で、パソコンが操作できないようにロックし、データをすべて削除できるようにしておくのが安心です。

「遠隔データ消去サービス」というものがあるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

2-2. 社用パソコンの利用制限をする

社員には、社用パソコンで業務に関係ないSNSやWebサイトを閲覧しないよう周知させることも方法の一つです。

セキュリティ事故の中には、プライベートのSNSからウイルス感染が広がったという事例もあり、私用で使ったときに事故が発生するリスクもあるのです。

しかし、Webサイトの閲覧制限などをかけてしまうと、業務に支障が出る恐れがあります。

そのため、テレワークでは社員がパソコンでどのようなサイトを見ているのか確認ができませんが、アクセス管理はできます。

常にアクセス管理を監視する必要はありませんが、社員には「このようなシステムを入れているので、閲覧履歴はすぐに確認できる」と周知しておくことで抑止力にもつながるでしょう。

また、会社や自宅以外でパソコンを使用するときは、公共の無料Wi-Fiを絶対に使わないよう指導しましょう。

先ほどの事例にもあったように、セキュリティが万全でない公共Wi-Fiによって不正アクセスなどの事故が起きる可能性があります。

社員のセキュリティに関する教育を徹底して行いましょう。

2-3. 使用するツールやアプリを指定する

テレワークを円滑に進めるために、チャットツールやクラウドツールなどさまざまなツールを使用します。

このようなツールを使用するときは、利用者が多くセキュリティ対策が万全に行われているものを選びましょう。

【テレワークでよく使われるツール】
・ChatWork
・Slack
・Googleドライブ
・Dropbox
・Zoom
・サイボウズ など

セキュリティ対策がきちんとされているツールのみを使用するようにすれば、思わぬところから情報漏えいするリスクを減らせます。

3. まとめ


この記事では、実際に起きたテレワークでのセキュリティ事故の事例と事故を防ぐ仕組みやルールについて解説しました。

テレワークはセキュリティ事故が起きるリスクが高いのです。

事故が起きてからでは遅いので、テレワークを導入しているのであれば、いち早くセキュリティ対策を講じる必要があります。

会社の信用を守るためにも、万全の対策をしておきましょう。