
自宅以外で仕事をすると何が問題なの?企業が自宅以外での業務を禁止する理由は?セキュリティトラブルについて解説します!
- カテゴリ: セキュリティ対策
- 公開日: 2023/12/18
テレワークは時間や場所にとらわれず、柔軟な働き方ができる働き方として多くの企業で推奨されています。
インターネット環境が整っていればカフェやコワーキングスペースなど、どこでも作業は可能ですが最近ではテレワークを自宅以外禁止にしている企業も増えてきています。
なぜ企業は自宅以外のテレワークを禁止するのでしょうか?
その理由やセキュリティトラブルの事例、危険性について解説していきます。
1. テレワークを自宅以外禁止にする理由とは?
企業がテレワークを自宅以外禁止にしている背景には様々な理由がありますが、一番は企業の情報を外部に漏らさないためと言えるでしょう。
オフィスや自宅など決まった場所以外で仕事をするということは、重大なセキュリティ事故やトラブルに巻き込まれる危険性が高まるのです。
テレワークを自宅以外禁止にしている理由やトラブル、リスクについて詳しく説明します。
1-1. 情報漏洩のリスク
情報とは社内情報だけでなく取引先や契約書類、財務情報、製品開発に関わる資料、さらには会話の内容など多岐にわたります。
あらゆる情報が入っている端末やUSBメモリを公共の場に持ち出したり、多くの人が滞在する場所で仕事の会話をするということは、それだけ盗難や紛失、のぞき見など情報漏洩のリスクが高まるということなのです。
例えば離席中、パソコンや資料を知らない誰かに見られたり、電話で話していた重要な内容が聞かれていたりなど、些細なミスや油断から情報が漏洩してしまいます。
会社にとって情報の流出は、今後の経営を左右するほど大きな問題にもなり得るでしょう。
そういったリスクを回避するために企業側はテレワークを自宅以外禁止にしているのです。
1-2. セキュリティリスクが高まる
公共のネットワークを使用することも絶対に安全とは言い難いです。
その施設のセキュリティ状況によって通信内容を傍受されたり、ネットワーク経由でマイウェア感染などの被害を受けることもあり得るのです。
カフェやレストランなどは会社とは違いセキュリティが脆弱で、サイバー攻撃やウイルス対策の実施がされていないところも多くあります。
フリーWi-Fiのセキュリティレベルも様々で、誰もが利用できるフリーWi-Fiは利便性が高い一方、その性質上通信内容を第3者に受信・盗聴される危険性も持ち合わせています。
さらに近年では不正利用やアクセスポイントのなりすましなどのトラブルも多発しているのです。
全てのフリーWi-Fiが危険なわけではありませんが、仕事上大切な情報をパソコンから送信する際はフリーWi-Fiの利用をなるべく避けたほうが良いでしょう。
1-3. 仕事に集中できない
自宅以外で仕事をすることでリフレッシュできるというメリットはあるかもしれません。
しかし、作業する場所が必ずしも落ち着いて仕事ができる環境というわけではないのです。
カフェなどは他の利用者もいるため、場所や時間帯によって周りの騒音など問題が生じることもあるでしょう。
仕事に集中できない環境では仕事をするべきではないという考えから、テレワークを自宅以外禁止にしている企業もあります。
またテレワーク中は社内や取引先の人と電話やWeb会議をすることもあり、その際に周りの声や騒音が入ってしまうと聞き取りづらくなる状況も考えられます。
お互いコミュニケーションが取れず業務に支障をきたしたり、相手に迷惑がかかることもあるかもしれません。
1-4. 他の利用者とのトラブル
カフェやコワーキングスペースなどの施設で仕事をする場合、他の利用者との間でトラブルが生じることも考えられます。
長時間同じ場所を占領していたり、コンセントなど設備を使用し続けたり、大声で電話をしているなど、他の利用者とトラブルに発展する場面も多く見受けられます。
またマナーが悪いという印象は、企業のイメージダウンにも繋がりかねないのです。
1-5. お店に迷惑がかかる
カフェなどで仕事をすることは、他の利用者だけでなくお店にとっても迷惑がかかる場合があります。
コーヒー1杯で何時間も長居をされ混雑時も席を譲らない客は、お店にしてみたら迷惑であり、お店の経営にも差し障る行為です。
店舗によってはトラブル防止のため店内での長時間の作業やボイスチャット、スマホ通話を禁止しているところもあるのです。
1-6. 勤務状況の把握が困難になる
働く場所の選択肢が広がると作業する場所が分散されるため、企業にとって勤怠状況の把握が難しくなることが考えられます。
カフェやレストランで休憩のかたわら仕事をしている状況をどう判断するのか、社員同士で不信感が生まれる状況にもなり得ます。
また緊急時の対応や急なWeb会議を開きたい時など、すぐに対応できる場所に居てほしいという理由からも自宅以外禁止にしていると考えられます。
2. セキュリティに関するトラブル事例
テレワークを自宅以外で行ったためトラブルに合った人も少なくありません。
ここからは実際に自宅以外のテレワークで起こったセキュリティトラブルの事例をご紹介します。
2-1. 公衆Wi-Fiの利用による情報流出
「公衆Wi-Fiを使ってメールのやり取りをした結果、そのメールに添付したファイルの情報が知らないうちに漏洩しており競合企業にも知られてしまった。企業に大きな損失になってしまった。」
公衆Wi-Fiは便利ですが通信内容の暗号化がされていないものが多く、外部からの通信を傍受されてしまう可能性があります。
パスワードの設定されていない公衆無線LANや、ホテルのインターネット回線などは、同時に利用している他者に通信内容を傍受される恐れがあります。
たとえパスワードを設定していても、そのパスワードが不特定多数の人に公開されている場合は、なりすましの偽アクセスポイントを設置させることで同様に通信内容を傍受される危険性があるのです。
2-2. コンピューターウィルスに感染
「作業中に第3者から受け取ったファイルをダウンロードしてしまい、パソコンがコンピューターウィルスに感染してしまった。」
ウイルス感染のルートはWebへのアクセスやファイルをダウンロードしてしまうなど様々ありますが、セキュリティ対策がされていない通信環境ではウイルス感染の危険性が高くなります。
ウイルスに感染したパソコンは復旧にも時間がかかり、その間の作業がストップしてしまうため会社に多大な迷惑がかかってしまいます。
2-3. 紛失・盗難による情報流出
「会社や顧客の情報が入ったUSBを置き忘れてしまい、お店に問い合わせても見つからなかった。後日USBに入っていた機密情報が漏洩していることが発覚した」
テレワークで使用するパソコンやUSBには、社内だけでなく取引先など社外に関する情報が入っていることもあるでしょう。
カフェなどでうっかり置き忘れてしまい、そのまま盗難にあう事例も多発しています。
また従業員の氏名やメールアドレスなどの個人情報流出は、企業の信頼性のダメージになるだけでなく、迷惑メールや振込詐欺など犯罪に利用されてしまう可能性もあるのです。
2-4. のぞき見による情報漏洩
「カフェで自社の新製品に関する資料を作成していたら、何者かにのぞき見されてしまい、その情報がSNSに投稿されてしまった。」
不特定多数の方が利用する環境では、どこでパソコンの画面を見られているかわかりません。特に仕事に集中していると、誰かが画面をのぞいていても気づかないこともあるでしょう。
情報漏洩は企業の社会的信頼性の低下はもちろんですが、新商品の情報や経営上の機密情報が知られることで経営にもダメージを及ぼします。
また場合によっては、情報流出により企業は顧客に対し損害賠償を支払うという事態もあり得るでしょう。
3. まとめ
テレワークを自宅以外禁止としている企業の多くは、セキュリティや勤務管理の問題や周りの方への配慮を考えたうえで禁止しているところがほとんどです。
テレワークで使用するパソコンやUSBには多くの情報が入っています。
1人のミスや些細な行動が会社に大ダメージを与えかねません。
企業は様々なリスクを減らすためにも、テレワークの自宅以外禁止をルールにしているのです。