「テレワーク」企業にとってのメリット・デメリットと対処法

  • カテゴリ: メリット・デメリット
  • 公開日: 2022/2/14
総務省が推進している「働き方改革」では個人の能力が発揮できる働き方が求められています。

そこで注目されるのが「テレワーク」です。

企業が「テレワーク」導入にあたり検討すべきことは何でしょう。

メリットだけでなくデメリットとその対処法も解説します。

1. テレワークがもたらす企業側のメリット




今、注目の「テレワーク」。

導入を検討中の企業も多いことでしょう。

企業にとっての「テレワーク」の魅力ってなんでしょう。


・オフィスコストの削減
・離職率低下
・企業イメージ向上
・生産性の向上


それぞれ詳しく説明します。

1-1. オフィスコストの削減

社員が通勤するときの交通費は企業の負担でしたが、テレワークを導入することで通勤費用を減らすことができます。

また、出社する社員がへることでオフィス使用時に発生する光熱費の削減ができ、さらには借りていたフロアを減らしたり、規模の小さなところに移転することで賃料の軽減ができる可能性があります。

オフィスコストで高いのがコピー用紙や印刷に関わるトナーインクなどの事務消耗品ですが、これも資料や書類を電子ファイル化することで削減できます。

電子化することで社外からアクセスしやすくなれば、紙書類の保管スペースも少なくなるでしょう。

1-2. 離職率低下

出産や育児、介護や配偶者の転勤などの家庭の事情で退職や休職をしなければならい場合、テレワークを導入することで両立できます。

外から優秀な人材を確保することも必要ですが、社内にいる優秀な人材を外に出さないこともとても重要です。

また、より自分にあった働き方がしたいという理由で転職を模索している社員にも、リモートワークという働き方を提案することで、転職を思いとどまらせる可能性もでてきます。

1-3. 企業イメージ向上

テレワークを導入することで働きやすい環境づくりに熱心な企業であるという、イメージにつながり好感度がアップします。

また、多様な働き方や感染症対策にも力を入れているととらえられます。

この先多数の企業がテレワークの導入を検討する中で、いち早くテレワークを取り入れたことが、企業にとって大きな強みになるでしょう。

また、早くからテレワークを導入した企業はブランド価値が上がり優秀な人材の確保にもつながる可能性もあります。

1-4. 生産性の向上

毎日の通勤や残業などが社員に強いストレスとなり、本来の力を発揮できなかったことで、仕事のモチベーションを下げることになっていました。

テレワークの導入はストレスをへらし稼働率を改善し勤務状態の健全化につながっています。

テレワークでは自分がくつろげる場所や落ち着ける場所で仕事ができるため、作業に集中でき、ストレス削減にもつながり生産性が向上します。

仕事と家庭のバランスが取れることでプレイべートな時間が取れるようになり、仕事に好影響を与えます。

また、オフィス業務中に発生していた会議や打ち合わせ、顧客の訪問での作業の中断が軽減されるため、業務に集中でき効率化を図ることができます。

営業担当者は自宅から訪問先に直接出向き、商談後にはオフィスに戻らず自宅に帰ってから、その日の報告作業をすることで無駄な時間を減らせます。

2. テレワークがもたらす経営側のデメリットと対処法




国も推奨している「テレワーク」ですが、メリットだけではありません。

当然対処すべきデメリットもあります。

企業にとってのデメリットはなんでしょう。


・労働実態の可視化ができない
・正当な評価がしにくく、従業員が不公平感を抱く
・セキュリティ対策を厳重に行わなければならない
・コミュニケーション不足で作業効率が下がる


対処法も含めて詳しく解説します。

2-1. 労働実態の可視化ができない

テレワークでは社員がオフィス外で仕事をすることになるので、社員がどんな勤務状態なのか可視化ができません。

社員の労働実態が把握しにくくなり勤怠管理が煩雑になりがちです。

出社義務のないテレワークでは就業時間と休憩時間の管理は社員に任せられます。

テレワークであっても残業をする必要もあるでしょう。

残業時間の上限や深夜労働の割増賃金など、労働基準法が通常通り適用されます。

社員の申告による勤怠管理やパソコンのアクセスログやメールの送信時間などを調べて長時間労働の実態を調査する必要があります。

勤怠管理をするには勤怠管理システムやログ管理システムの導入が不可欠です。

「勤怠管理システム」は出退時間の管理ができ、長時間労働のチェックや正確な勤務時間の把握に役立ちます。

「ログ管理システム」はパソコンの操作を始めた時間や業務内容を把握できるため、時間管理の意識付けにもなります。

2-2. 正当な評価がしにくく、従業員が不公平感を抱く

テレワークでは労働状況や勤務態度を直接、見られないため仕事に対する正当な評価ができない可能性があります。

今まではコミュニケーション能力や状況判断能力と言ったことで評価されてきましたが、こうした人物面での評価が見えにくくなります。

その分、目標達成能力とかスキルアップできているかと言ったことに評価軸が変わってきます。

また、「働いた時間」をどの程度評価するかも難しいところです。

個々の事情が多様である分、勤務時間と成果が比例するとは限りません。

さらに社員同士がそれぞれの働きぶりをみることができないため、公平に評価されているか判らないため、不公平感をいだく社員もいるでしょう。

不公平感を予防するためにはテレワークを導入出来るかどうかの業務内容の見極めが必要です。

具体的な成果が出る部門や業務時間を把握できるものに限ってみる必要があるかもしれません。

また、社員と話しあって目標を決め、「目標管理制度」などの方法を取り入れるといいでしょう。

2-3. セキュリティ対策を厳重に行わなければならない


テレワークではスマホやタブレットなどの端末を外に持ち出すことになります。

端末をなくしてしまったり、盗まれたり、置き忘れたり、何が起こるかわかりません。

また、ちょっとした油断で画面を他人に見られてしまったり、顧客名簿や相談内容が他の人に盗まれることもあるかもしれません。

企業側はこうしたセキュリティリスクに取り組まなければなりません。

セキュリティリスクを回避するためにはいろいろな対策が必要です。

パスワードロックの設置やデータをクラウド上に置くと言ったことも考えましょう。

さらにウィルス対策ソフトの導入や強化、通信の保護や暗号化、持ち出しに関する社内ルールなどの設定も行いましょう。

さらに、必要なのは社員の教育です。

セキュリティ意識の向上のための研修を通じてネットワークに潜む脅威への知識を周知する必要があります。

万が一情報の流出事故が起こると企業は大きな損害を被ります。

2-4. コミュニケーション不足で作業効率が下がる

テレワークになると社員がお互いに違う場所での作業になるため、社員同士のコミュニケーションが少なくなります。

コミュニケーションが減少すると、情報を共有することができずに効率が落ちてしまいます。

仕事で分からないことがあっても、まわりに相談をする人が誰もいないと、電話をするか、メールをすることになりその間時間が止まってしまいます。

また、業務以外の社員同士の会話がないため在宅勤務の社員は孤立感を抱く可能性もあります。

仕事に関係ない雑談をしているときでも、仕事につながるアイデアが浮かんでくることがあります。

ちょっとした雑談が息抜きになり、気分転換になり仕事の意欲につながることもあるでしょう。

コミュニケーション不足にならないためには業務内容を整備し、マニュアルを作る必要があります。アクセス環境を整えて、社員がオンラインで相談しやすい環境を作ることが大切です。

また、社員同士の朝会、夕会、雑談のチャンネルを作ることも活性化につながります。

「社内SNS」や「チャットツール」の導入を考えてみましょう。

3. まとめ

働き方改革の一環でテレワークの導入を検討する企業が増えています。

感染症の拡大で時間や場所に関係なく、生産性の高い働き方ができるテレワークはこれからも増えていくでしょう。

しかし、企業がテレワークを導入することで、多くのメリットがある反面課題や問題点もあります。

テレワークの導入にあたり企業側も、起こりうる経営への悪影響をしっかり視野に入れて対処する必要がありそうです。