
テレワークに必要な通信環境とは?設けるべき社内規定についても紹介
- カテゴリ: テレワークに便利なヒント
- 公開日: 2023/9/11
テレワークを導入する際には、通信環境の選定と社内規定の作成をしなければいけません。
どちらも、改定規制と安全性に関わっているからです。
しかし、通信環境はどれでもいいというわけではありません。
また、社内規定の作成にもいくつかの注意点があります。
それを知らずに選定や作成をすると、後悔することになるでしょう。
この記事では、テレワークに必要な通信環境と設けるべき社内規定について解説します。
最低限必要な通信環境や社内規定の作成手順について紹介するので、参考にしてください。
1. テレワークで必要な最低限の通信環境5選
テレワークを導入する際には、最低限必要な通信環境があります。
それは下記の3つです。
・通信速度
・回線品質
・セキュリティ
どれもテレワークにとっては無視できないポイントでもあります。
それぞれについて解説するので、参考にしてください。
1-1. 通信速度
テレワーク導入にあたって無視してはならないのが、通信速度です。
それぞれの速度の目安は下記の4つです。
・基本は上り・下りともに1~8Mbps
・メール・LINE:128kbps~1Mbps
・ウェブサイトの閲覧:1~10Mbps
・ビデオ会議:50Mbps
最低でも、上り・下りともに1~8Mbpsはあるか確認してください。
これだけあれば、テレワークで必要最小限の作業は可能です。
ただし、ビデオ会議を行う際には50Mbpsはあることが望ましいとされています。
基本的な通信速度では、ビデオ会議の際に映像や音声が途切れてしまう可能性があるからです。
コミュニケーションを重視する場合は、Web会議の回数が多くなるでしょう。
その場合は、50Mbps以上の通信速度を提供している回線会社と契約を結ぶことをおすすめします。
1-2. 回線品質
回線の品質にも注目してください。
ここでの主な注目ポイントは下記の2つです。
・速度の安定
・通信トラブルが少ない
高い通信速度を提供している回線会社と契約しても、速度が安定しなければ意味がありません。
日中は速度が遅くなるなどのデメリットがあるところは避けたほうがよいでしょう。
また、通信トラブルが少ないことも重要です。
通信障害や機器故障などでネットが利用できないトラブルが多発していては、仕事ができません。
どちらもテレワーク導入の際には、重要なチェックポイントです。
契約する前に必ず確認しましょう。
1-3. セキュリティ
セキュリティについても考慮しなければいけません。
テレワークを導入する場合、個人情報や会社の機密情報などの漏洩を防がなければならないからです。
セキュリティソフトを導入するという方法もあります。
しかし、回線会社によっては独自のセキュリティ対策サービスを提供しているところもあるので、確認したほうがよいでしょう。
回線会社が提供するセキュリティ対策サービスとセキュリティソフトの導入の両方を行うことで、安全対策はより強固になります。
2. テレワークで設けるべき社内規定のポイント
テレワーク導入にあたって、社内規定の作成も重要です。
その際、特に注目すべきポイントは下記の5つです。
・定義
・対象者
・服務規律
・労働時間(休憩・休日含む)
・費用負担
これらについて解説するので参考にしてください。
2-1. 定義
テレワークを導入するにあたって、定義の明確化は重要です。
テレワークには主に在宅勤務・サテライトオフィス・モバイルワークの3種類があります。
これらのうち、どれを認めるのかはっきりさせておきましょう。
また、従業員の中には在宅勤務が難しい場合もあります。
そのようなケースに対応するために、例外も設けておいた方がよいでしょう。
2-2. 対象者
対象者についても、範囲を明確にしておくことが大切です。
誰でもテレワークを許可するというケースはまれでしょう。
ここで気をつけるべきは、テレワークをするかしないかは従業員の意思に基づくという点です。
具体的には、正規雇用者と非正規雇用者でテレワークの許可に差をつけるということがあってはなりません。
テレワークを希望する理由の範囲やセキュリティ環境などにポイントをおいて、対象者を規定するとよいでしょう。
2-3. 服務規律
従来の通勤スタイルに相当する服務規律の設定が必要です。
オフィスワークでは、休憩時間以外の理由のない外出を認めていないところは多いでしょう。
また、情報漏洩についても、厳しく設定しているところがほとんどです。
テレワークでも同様の規律設定をおすすめします。
上司などの目が行き届かない分、従業員の中には気持ちの緩みが出てしまう可能性があるからです。
特にセキュリティ面においては、オフィスワークに比べてより厳しい服務規律を設定しましょう。
情報漏洩は会社にとって重大な問題です。
そのことを従業員に認識してもらうためにも、細かい服務規律の設定をおすすめします。
2-4. 労働時間(休憩・休日含む)
休憩や休日を含む労働時間の規定についても、明確にしておきましょう。
オフィスワークに比べてテレワークは、自由な環境での仕事が可能です。
好きな時間から仕事をスタートさせ、キリのよいところでその日の業務を終えるなどの労働スタイルを許してしまうと、オフィスワークとテレワークとの間で不公平感が生まれます。
労働時間は9~18時までのように、従来のオフィスワークと同様の労働時間を設定しましょう。
その際は、休憩時間の設定についても同様の時間の規定を設けることが大切です。
不公平感が解消できるでしょう。
また、休日においてはテレワークのほうが自宅で仕事ができるため、日数が少なくなる可能性があります。
オフィスワーク同様に週1日以上の休日が必要なので、必ず規定を設けましょう。
2-5. 費用負担
テレワークでは費用負担についての規定も必要です。
特に通勤費は、オフィスワークの日数が減るために減少する可能性が高いでしょう。
通勤費の減少は、従業員の給料が減るという目に見える形であらわれます。
通勤していないのだから通勤費の支給がないというのは当然といえますが、従業員の心理的な面では、なかなか納得できない点でしょう。
一方、企業側にとっては通勤していない従業員の通勤費は払いたくありません。
余計なコストは削減したいと思う企業もあるでしょう。
会社へ出勤した日数のみ支給するなどの規定を設けることをおすすめします。
通勤費を一方的に打ち切られるわけではないので従業員にとっては納得しやすく、会社側はコスト削減につながるので双方にメリットがあるといえるでしょう。
3. テレワーク規定の作成手順
テレワークの規定を設ける際には、作成の手順を知っておくとスムーズにはかどります。
主な手順は下記の通りです。
1.労働基準法を踏まえる
2.従業員の意見を確認する
3.専門家の意見を仰ぐ
4.作成して公示する
それぞれの注意点について解説するので参考にしてください。
3-1. 1.労働基準法を踏まえる
労働基準法を踏まえることが重要です。
労働基準法に則った規定内容になっていない場合は、罰金などの処罰の対象になるからです。
例えば労働時間や就業場所については、従業員への明示が労働基準法で義務付けられています。
規定を作成するうえで、必ず明記しなければならない内容です。
また、新しい制度を導入する際は、その内容を就業規則に明記しなければなりません。
テレワーク導入も新しい制度の導入にあたるため、必ず明記しましょう。
3-2. 2.従業員の意見を確認する
労働基準法にばかり注目していてはいけません。
従業員の意見の確認も忘れないでください。
テレワークをするかしないかの最終的な判断は、従業員に委ねられるからです。
テレワーク導入の目的は、従業員にとっての働きやすい環境の整備といえるでしょう。
しかし、就業規則によってオフィスワーク以上に働く環境が悪化してしまっては、導入の意味がありません。
従業員がどのような環境を求めているのか確認しましょう。
ヒアリングやアンケート調査を行い、規定に盛り込むことが重要です。
3-3. 3.専門家の意見を仰ぐ
テレワーク導入にあたっての社内規定がある程度決まったら、専門家に相談することをおすすめします。
労働基準法を踏まえたうえで従業員の意見も取り入れながら作成することは、想像以上に困難です。
社内規定の内容によっては、あとあと労働基準法に則っていない部分が指摘され、裁判沙汰になる可能性もあります。
記載漏れや明記忘れがないかの最終チェックは、専門家の指示を仰いだ方がよいでしょう。
テレワークや労働基準法に詳しい弁護士などに相談し、内容をチェックしてもらってください。
3-4. 4.作成して公示する
専門家の確認ができたら、正式に作成して公示します。
全従業員に公示してください。新たな社内規定の内容を知らないという従業員が出ないように、文書やメールでも知らせるなどの方法がおすすめです。
また、社内規定の内容を正しく把握することは難しく、忘れてしまう従業員もいるかもしれません。
そのため、全従業員がいつでも確認できる状態にしておきましょう。
4. テレワーク導入では通信環境の選定と規定作成を慎重に
テレワークの導入にあたって、通信環境の選定と規定作成は重要です。
どちらも慎重に行わなければ、後日仕事に支障をきたす可能性があります。
どのような点に注意し、どんな手順ですすめるのか把握しておきましょう。
それが会社にとっても全従業員にとっても、快適な仕事の環境を構築する第一歩です。