
テレワークを廃止する企業は多い?その理由や廃止に向けたポイントを解説
- カテゴリ: 悩み・問題点
- 公開日: 2023/8/7
テレワークは、新型コロナウイルスの蔓延とともに推奨されてきた働き方です。
対応するために、システムや会社のルールなどを見直したところもあったでしょう。
しかし、テレワークを廃止して以前の働き方に戻す企業が出てきています。
テレワークを導入し続けている企業も、いずれは廃止になるかもしれません。
ここでは、テレワークを廃止する企業について解説します。
その理由や廃止にするための注意点なども紹介するので、参考にしてください。
目次
1. テレワーク廃止の理由
テレワークを廃止する企業は、増加傾向にあります。その主な理由は下記の3つです。
・新型コロナウイルスの5類移行
・個人負担のコスト増加
・生産性の低下
それぞれの理由について、さらに詳しく掘り下げて解説するので、参考にしてください。
1-1. 新型コロナウイルスの5類移行
テレワーク廃止の理由として多くあげられるのは、新型コロナウイルスの5類感染以降でしょう。
新型コロナウイルスは、「2類相当」として位置づけられていました。
しかし、2023(令和5)年5月8日より「5類感染」に移行されています。
参考[新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について|厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html)
簡単にいうと、感染症としての国が示すレベルが下がったということです。
テレワークは、国が定める新型コロナウイルスの感染症のレベルが高かったため、導入された働き方です。
下がったのであれば企業としてはテレワークをしなくてもよいだろうと判断され、廃止する企業が増加しています。
1-2. 個人負担のコスト増加
個人が負担するコストの増加も、廃止の理由としてあげられるでしょう。
会社で仕事をすれば、パソコンやデスクは会社負担です。
さらに通信費や電気代も会社が経費で落とすので、個人の負担はありません。
しかし、テレワークの場合は社員が会社以外の場所で仕事をします。
パソコンやデスクなどは自分で用意しなければいけません。
また、通信費や電気代も社員の個人負担です。
会社としてのコストは削減されますが、代わりに従業員の個人負担が増加するでしょう。
この問題点の対応が難しいため、廃止の方向で進める企業も存在します。
1-3. 生産性の低下
生産性の低下も、テレワーク廃止の大きな理由の一つです。
テレワークを導入した結果、生産性が下がったという企業が一定数存在します。
その理由は、オン・オフの切り替えが難しいからです。
例えば自宅でテレワークをする場合、集中力を妨げるようなものが多いでしょう。
誰かが自宅に訪ねてきたら、対応しなければなりません。
すると、集中力が途切れてしまい、仕事のペースやモチベーションが下がってしまうでしょう。
会社なら、仕事をする環境が整っているので集中力が途切れることはないといえます。
そのため、テレワークを廃止する企業が増加しているのです。
2. テレワーク導入のデメリット
テレワークを廃止する理由は、導入のデメリットも関係しています。
主なデメリットは下記の3点です。
・業務が管理できない
・情報漏洩の危険性が高まる
・社員同士の交流が減少する
それぞれのデメリットについて、さらに詳しく解説するので参考にしてください。
2-1. 業務が管理できない
業務が管理できない点は、テレワーク導入のデメリットの代表といえるかもしれません。
会社なら、従業員が出社すれば目で見てわかります。
また、早退や退社も社内にいれば管理職の人は、その場で認識できるでしょう。
残業も会社でするので、ほぼ把握できます。
しかし、テレワークの場合は従業員と同じ空間にいるわけではないので、把握できません。
オンラインの勤怠管理システムもありますが、完璧に把握するということは難しいでしょう。
2-2. 情報漏洩の危険性が高まる
テレワークは、情報漏洩の危険性が高まるというデメリットを秘めています。
会社の場合はセキュリティソフトが導入されているため、ウイルス感染を未然に防ぐことが可能です。
また、オフラインでのやり取りができるので、情報漏洩の危険性は低くなるでしょう。
しかし、テレワークの場合はオンラインでのやり取りが多くなります。
自宅以外の場所で仕事をする可能性もあるため、知らない間に情報が漏れてしまうこともあるかもしれません。
2-3. 社員同士の交流が減少する
社員同士の交流が減少する点も、テレワークのデメリットです。
交流が減少すると、社員育成やフォローアップが難しくなります。
すると、意思の疎通が難しくなり、従業員がやめていくかもしれません。
それほど、社員同士の交流は必要なのです。
3. テレワーク廃止のデメリット
テレワークを廃止する企業は増加傾向にあります。
しかし、廃止にもデメリットが伴うので注意が必要です。
主なデメリットは下記の2点です。
・離職率増加の可能性
・コスト増減の可能性
2点のデメリットについて詳しく解説するので、参考にしてください。
3-1. 離職率増加の可能性
テレワークの廃止によって、離職率増加の可能性が高まります。
従来の勤務体制よりもテレワークのほうが仕事がしやすかったと感じる従業員も、一定数いるからです。
テレワーク派の従業員は、廃止になると働きやすい環境を求めて離職するかもしれません。
3-2. コスト増加の可能性
廃止によってコストが増加する可能性があるので注意してください。
従来の勤務体制に戻すことで、通勤費などの費用が発生します。
これは、テレワークでは必要なかった費用です。
テレワークの維持費と通勤費のような費用と、どちらが会社にとって負担になるのか考慮する必要があるでしょう。
4. テレワーク導入における課題
テレワーク廃止におけるデメリットがあるのなら、導入したままのほうがよいと考える人もいるかもしれません。
しかし、導入における課題があります。
それが下記の3点です。
・孤独を感じる社員のケア
・モチベーションが下がる社員のケア
・過重労働の防止
それぞれの課題点について、さらに詳しく解説するので参考にしてください。
4-1. 孤独を感じる社員のケア
テレワークによって孤独を感じる社員がいます。
そのような社員のケアをどのようにするかが問題です。
一人暮らしをしている社員の場合、仕事も自宅になると誰とも言葉を交わさない時間が多くなるでしょう。
すると、強い孤独を感じて心のバランスを崩す可能性があります。
定期的に出社を促してヒアリングをするなどのケアが必要です。
4-2. モチベーションが下がる社員のケア
テレワークによってモチベーションが下がる社員もいます。
この場合、孤独を感じているわけではありません。
会社ではない場所で仕事をすることで、何となくモチベーションが下がるのです。
新しい評価制度を導入するなどの対策が必要でしょう。
4-3. 過重労働の防止
過重労働の防止は、テレワークの最大の課題です。
勤怠管理ができないので、知らない間に過重労働になってしまうケースがあります。
防止対策や問題解決が難しいという理由から、テレワークを廃止する企業もあるくらいです。
ほかの人の目がないため、完全に防止することは難しいでしょう。
5. テレワークを廃止するためのポイント
テレワークを廃止するにあたって、気を付けるべきポイントがあります。
主なポイントは下記の3つです。
・社内の声
・コスト面のバランス
・ツールやシステムの見直し
それぞれのポイントについて詳しく解説するので、参考にしてください。
5-1. 社内の声
テレワークを廃止する際には、社内の声を聞きましょう。
大切なことは、廃止賛成派と反対派の両方の声を聞くことです。
どちらにも意見や考えがあります。
これらに耳を傾けることで、問題点が見えてくるでしょう。
5-2. コスト面のバランス
コスト面のバランスも考慮してください。
テレワーク導入と廃止とを比べて、どちらのほうがコストが低いのかを比べましょう。
ここで考えるのは、金銭面のことばかりではありません。
生産性や業務効率なども含めて、考えたほうがよいでしょう。
大きく見れば、それらすべてが会社にとっての利益につながるからです。
5-3. ツールやシステムの見直し
ツールやシステムの見直しも必要でしょう。
テレワーク廃止反対の声が上がっているのなら、そのための対策も必要です。
コミュニケーションツールやマネジメント関連のシステムなどを見直し、働きやすい環境を整えましょう。
6. まずは社内の声を聞いて問題点を洗い出そう
企業の方針でテレワークが廃止になるのは、世の中の流れに沿ったことかもしれません。
それを継続へ方向転換させるのは、難しいでしょう。
廃止の前に、社内の声を聞いてください。
問題点を洗い出すことで、改善点が見えてきます。
課題をクリアすることで、従来の働き方に戻しても従業員は仕事がしやすいと感じるでしょう。