テレワーク社員にセキュリティ講習は必要か?セキュリティ対策の重要性は必ず周知すべき

  • カテゴリ: その他セキュリティ
  • 公開日: 2023/11/6

テレワークは、自宅でもインターネットを通じて仕事ができるというメリットがある半面、サイバー攻撃の脅威に晒される環境でもあると言えます。

リスク回避のためにも、テレワークを推進している企業にとって、従業員に対しセキュリティに関する教育を行うことはとても重要です。

正しい知識とセキュリティ意識を付けるためには1人1人にセキュリティ講習を実施する必要があります。


本記事ではテレワーク社員のセキュリティ講習の必要性や、セキュリティ講習の内容、費用について解説いたします。

1. セキュリティ講習とは


セキュリティ講習とは、コンピューターのウィルス感染のリスクや情報漏洩などの事故を未然に防ぐため、セキュリティ知識や対策を学ぶ講習のことを言います。

セキュリティ講習といっても多種多様で、エンジニア向けの専門的な内容のものから一般社員が受ける基本的な内容のものまでさまざまです。

一般社員向けのセキュリティ講習の目的は、セキュリティ知識を学びリスク軽減のための手法を身につけ、セキュリティに対する意識を高めることにあります。


従業員のセキュリティに関する意識向上は会社全体のリスク軽減につながるため、セキュリティ講習を実施することは非常に重要な取り組みと言えるでしょう。

2. テレワーク社員のセキュリティ講習の必要性は?


従業員がセキュリティ講習を受け、セキュリティに対する知識や対応を身につけることは、企業のセキュリティ侵害のリスクを軽減することに繋がります。

外部からのウィルス攻撃や意図しない情報漏洩が発生した際、迅速に対処できないことは企業の金銭面やクライアントからの信頼性の低下に繋がる可能性があるのです。

特にテレワークをしている従業員は、万が一セキュリティ被害にあった際でも、1人で初動対応ができるようにならなけらばいけません。


テレワークを行っている従業員に対して、セキュリティに対するルールや行動指針を示し、さらにセキュリティ講習を受けてもらうことが、テレワーク中の不安解消にも繋がると言えます。

またセキュリティへの意識を継続させるためにも、定期的に講習を繰り返し最新の内容を共有することで、セキュリティに対する意識向上を目指すことができるのです。

3. セキュリティ講習の内容とは?


セキュリティ講習を実施している企業は多くあります。

基本的な内容から専門的なコースまで様々ですので、自社の状況にあった内容を選ぶと良いでしょう。

ここでは初心者向けのセキュリティ講習実施例をいくつかご紹介します。

3-1. ウィルス対策講習

インターネットを扱ううえでウィルス対策の教育は欠かせません。

フィッシングメールやUSB、Bluetoothなど接続する周辺機器の取り扱いや、ウィルス感染が実際に起きた場合の対応方法など学べる講習です。

3-2. 情報漏洩の防止対策講習

企業にとって会社の情報や顧客の情報は絶対に漏洩させてはいけない重要機密になっています。

そのため、たとえ本人の故意的でなくてもUSBなどデータが保存された記録媒体を紛失してしまうことは、企業だけでなく顧客にとっても大きな損失となりえます。


この講習ではデータの持ち出しルールの作成方法や企業情報の取り扱いなどについて学びます。

3-3. 個人情報保護研修

個人情報保護法についての基本や改正内容、万一漏洩した際の対応について学ぶ研修です。

サイバー攻撃などで起こりうるリスクを理解し、個人情報の取り扱い違反行為や漏洩防止について知ることができます。


個人情報の管理方法やリスクが起こりにくい環境作りについて考えたり、事例を出して具体的な対処方法について学ぶことができます。

3-4. Wi-Fi・公衆無線LANの利用注意点

自宅に設定しているWi-Fiや公衆の無線LANは簡単に利用できる半面、情報を不正に入手されるという危険性も伴います。

安全なアクセスポイントの見分け方や接続中のファイルの取り扱いルールなどを学ぶ研修です。

3-5. その他の研修

上記以外にもパスワードの管理方法やバックアップの重要性、アクシデント発生時の初動対応研修など様々です。

講習スタイルは講師の話を聞くだけでなく、具体的な対処の仕方やロープレ、ディスカッションなど実践に近い内容を取り入れている講習もあります。

また総務省からも従業員や管理担当者に分けて、それぞれに必要なセキュリティ対策を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


参考:総務省(国民のためのサイバーセキュリティサイト 企業・組織の対策)

参考:総務省(テレワークセキュリティガイドライン)

4. セキュリティ講習の費用はどのくらい?


セキュリティ講習の金額は研修形態やその内容によって違います。

主な形態としては、講師を呼び自社で研修を行う方法や様々な企業が集まる公開研修、場所や時間にとらわれないeラーニングなどがあります。


それぞれ料金も違い、メリットやデメリットが存在します。

また、企業内でセキュリティに詳しい人がいるのであれば、その方に社内講習をしてもらうという方法もあるでしょう。もちろんこの場合は費用はほとんどかかりません。

4-1. 会社に講師を招く方法

会社や社外に場所を確保し、そこに講師を招いて講義をしてもらう方法です。

費用は半日では5〜10万円、1日で10万〜20万円ほどかかるのが一般的です。

費用が多額になることはデメリットですが、自社にあった内容の講義を依頼することも可能なため、柔軟なカリキュラムの調整ができます。

4-2. 公開研修

さまざまな企業の人が会場に集まり受講する公開研修は、1人当たり数千円〜数万円程度の費用が必要となります。

他社の従業員と交流もでき、会場で直接講師に質問ができる環境のため理解度が高まることが期待できます。

デメリットとしては講習内容は一般的なものになってしまうため、希望する内容を重点的に教えてほしいという要望はできない可能性があることです。

4-3. eラーニング

テレワークなど在宅でも受けられるeラーニングは、時間や場所にとらわれることなく講義動画やコンテンツを見ることができるため、人気のある研修方法です。

費用も1人あたり数千円ほどの安価で受講できることがメリット。


デメリットとしては、講師とのコミュニケーションがとりづらいことです。

また従業員がどこまで理解しているのか判断が難しく、中には動画を聞き流して終わりという人がいるかもしれません。

講習後には企業側から理解度のフォローやOJTを実施するなど対策をする必要があります。

5. セキュリティ講習を受講した感想は?


実際にセキュリティ講習を受講した従業員や企業の受講した感想はどのようなものがあるでしょうか。


・受講したことで今まで知ることのできない知識や観点を学ぶことができた。

・実際に仕事をする上で注意しなければならない点、またその重要性について知ることができた。

・情報漏洩がおこれば、会社全体に損害が起こる可能性があり、会社ルールの遵守が大切だと感じた。

・テレワークでPCを持ち帰ることが少なからず発生する状況のため、使用場所やWi-Fiの取り扱いにも気を付けていきたい。


従業員側から「受けてよかった」という意見が圧倒的に多いことがわかります。

従業員の危機管理意識が変わることは、会社全体のセキュリティ向上にも繋がっていきます。


セキュリティ教育は一度やったからといってすぐに身につくわけではありません。

基本的な内容を繰り返し学ぶことで、実戦でも役に立つと言えます。

企業側は講習を受けた後も定期的に研修やOJTを行い、1人1人の理解度をあげていくことで初めて会社全体のセキュリティ対策ができるのです。

6. まとめ

セキュリティ講習の目的は、サイバー攻撃への対応や企業の機密情報を危険にさらさないため、全従業員にセキュリティに対する意識を根付かせる事です。


たった1人の不注意が会社全体に大きなダメージを与えることもあります。

定期的にセキュリティ講習を行い、正しい知識とセキュリティへの意識を向上させ、企業をセキュリティ脅威から守りましょう。